
左から:
株式会社JSOL 経営企画本部 総務部長 佐藤隆行 様
株式会社JSOL 経営企画本部 総務部 総務課 福原日向子 様
東急不動産株式会社 都市事業ユニット 都市事業本部 ビル運営事業部 営業運営第一グループ 髙橋大輔
登録有形文化財建造物、旧九段会館の一部を保存しながら建て替えられた九段会館テラス。外観は1934(昭和9)年創建当時の面影を残しながら、環境負荷の低減につながるさまざまな先進技術が採用されています。
今回は、オフィス移転で九段会館テラスに入居された株式会社JSOL 総務部の佐藤隆行様と福原日向子様に、移転の経緯やJSOL様が行っている環境への取り組みなどについて、お話を聞きました。
JSOL様が考える、オフィスのあるべき姿とは?
JSOL様は2022年11月にオフィスを移転されましたが、九段会館テラスを選んだ経緯、移転後の反応などを教えてください。
JSOL 佐藤隆行様(以下、佐藤様):アフターコロナを見据えて、出社を前提としない働き方・オフィスのあり方を議論する中で、オフィスは「単なる勤務地ではなく、目的を持ち利用する場」と再定義。東京の二拠点を集約できる広さ、社員が出社しやすい立地、前オフィスの賃貸契約期限のタイミング、施設の防災機能や環境性能など、さまざまな条件を総合的に検討して九段会館テラスに決めました。
JSOL 福原日向子様(以下、福原様):三路線使える交通の便、オフィスからの景観の良さ、周辺に自然が多いこと、使い勝手のよさなど、オフィス環境は社員からとても好評です。

経営陣も注目した、九段会館テラスの環境性能
九段会館テラスはCO2フリー電力ですが、施設の環境性能も検討材料のひとつになっていたのですね。
福原様:弊社の前身である日本総合研究所でも伝統的に環境問題に取り組んでいますし、現在もNTT DATAの一員としてカーボンニュートラルの推進に取り組んでいます。「変化を見通し、確かな未来をカタチ創る。」というパーパスを体現する上で、環境問題への取り組みはとても大切にしています。経営の意思として、プロアクティブに動きたいという考えがあります。
佐藤様:環境マネジメントシステムに関する国際規格 ISO14001認証を取得していまして、ビルの使用電力量は報告指標になっています。CO2排出量がゼロになるインパクトは大きく、経営陣の注目ポイントでした。弊社ホームページでもロビーにある「GREEN ENERGY 100%」の掲示パネルの写真を使ってアピールしています。社長とも「発電所を持っているディベロッパーは珍しい、すごい」といった話をしたばかりです。

髙橋:ありがとうございます。弊社は「ReENE(リエネ)」というブランドで再生可能エネルギー事業を行っていまして、先日RE100(※)も達成しました。施設を通じたテナント様の活動支援ができて、うれしいです。
- ※RE100:企業が自らの事業の使用電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブ。
移転を機に加速した環境への取り組み
オフィスを移転したからできたこと、できるようになった環境への取り組みはありますか?
福原様:移転を機に固定席からフリーアドレスに変更しました。オープンイベントスペース、ABW(※)エリア、従来型のデスク席、大きく3つのレイアウトを採用しています。フロアの細かい区画で照明や空調の調整ができるので、使用電力の削減につながっています。
- ※ABW:Activity Based Working。固定席に縛られずに業務や気分によって働く場所を選択できるワークスタイル。
佐藤様:千代田区の「一斉清掃の日(毎年6月6日と11月11日)」も、移転を機に広がった活動です。今年は九段会館テラスに入居されている他のテナント様、近隣にあるグループ会社の三社で参加しました。
髙橋:移転前も区の清掃活動には参加されていましたよね?

佐藤様:そうですね。ただ、他のテナント様と一緒に参加できたのは、移転後からです。東急不動産様は、地域ぐるみの取り組みや自治体連携の実績も多くありますし、屋上緑化で植物を育てて、ビールやハチミツ、さつまいもチップスを製品化するなど、ユニークな活動もされています。東急不動産様が中心となって各テナント様や自治体にお声がけいただき、一社ではできない大きな活動をしていけたらいいですね。
オフィス移転がもたらした、働き方の変化とは?
働く場所としてのオフィス、九段会館テラスをどのように評価されていますか?
福原様:アクセスのよさは、社員からとても好評です。移転の効果として、社員の通勤時間が年間約5万時間削減できる見込みです。また、弊社は大阪や名古屋にもオフィスがあるため、遠方の社員も来やすくなりました。
佐藤様:執務室内をフリーアドレスにしたことで、社員同士のコミュニケーション活性化、新しい技術アイデア・ビジネスアイデアの創出につながると期待しています。
髙橋:弊社のオフィス事業では「植物や自然には、人をポジティブにする力がある」という研究結果や科学的根拠をもとに、緑を感じながら働けるワークスタイルを提案しています。周辺に緑がある環境は、働き方の変化につながっていますか?
福原様:屋上庭園やお濠沿いのボードウォーク、屋外のテラスや芝生エリアなど、季節がいいときはお昼休みに利用している社員もいて「仕事のオンオフを切り替えてリフレッシュできる」という声を聞いていますね。
九段会館内には「良い職は、良い食から」をモットーに、健康食にこだわった「九段食堂」や、内科や歯科などのクリニックもあります。働く人の健康を意識した施設ですが、社員の健康意識や働き方の変化は感じますか?
福原様:九段食堂を利用している社員は多いですね、私もよく行きます。一般に開かれた、憩いの場のような雰囲気があっていいですよね。クリニックも仕事の合間に利用している社員がいます。同じ施設の中にあると行きやすいので、健康意識の向上にもつながっていると思います。
佐藤様:地下1階の仮眠室を利用している社員もいますね。
本業を通じて環境問題へのアプローチを広げていきたい
今後注力していきたい環境への取り組みについて教えてください。
佐藤様:CO2削減の取り組みを、弊社のサプライチェーンにも広げていきたいです。NTTデータが開発した「C-Turtle®(シータートル)」という、CO2排出量を見える化するクラウドサービスを活用して、弊社だけではなくサプライチェーン全体のCO2削減に取り組んでいきたいと考えています。
福原様:NTT DATAには、多様なグリーンITアセットがあります。お客様の課題にあわせた最適なソリューションをご提案することで、本業であるITソリューションを通じた環境問題へのアプローチも推進していきたいです。
佐藤様:施設の環境性能、働きやすいオフィス環境づくり、社会貢献活動など、弊社の取り組みはNTT DATA内でも先進的なものとして注目いただいています。東急不動産様にはオーナーとテナントという関係だけでなく、いろいろご相談しながら新しいプロジェクトもできたらと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。
髙橋:はい、私たちもテナントの皆様と連携して、相乗効果でいろいろな活動の輪を広げていきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

本日は貴重なお話をありがとうございました。
- ※掲載内容は2024年9月取材時のものです。
オフィスビルのご紹介

九段会館テラス
東京メトロ・都営地下鉄「九段下」駅徒歩1分。1934年(昭和9年)に軍人会館として竣工し戦後は劇場、宿泊施設、宴会場として長く愛されてきた旧九段会館。その一部を保存・復原すると共に、解体部分に地上17階地下3階の新築棟を増築し、オフィスを中心とした高度利用を一体的に図ったプロジェクトです。
九段会館テラスでは、人々の心に刻まれた九段下の風景を守りながら、「健康」と「安心・安全」をテーマに新しい働き方を実現する次世代型オフィスを実現します。
東京都千代田区九段南1-6-5