
東急不動産は、環境先進企業を目指し、脱炭素社会の実現をはじめとした多角的な環境取り組みを推進しています。取り組みには、オフィスビルに入居しているテナント企業様にもご参加いただき、その「環」が拡がっています。今回は、2024年11月6日にウノサワ東急ビル(東京都渋谷区)で開催した「GREEN ACTION 屋上菜園サツマイモ収穫体験」のレポートをお届けします。
オフィスビル屋上の「芋緑化システム」で、脱炭素と生物多様性に貢献!
東急不動産では、脱炭素社会・循環型社会・生物多様性の3つを重点課題とした環境取り組みに力を注いでいます。東急不動産が運営管理するオフィスビル※1の屋上で実施している「室外機芋緑化システム※2(以下、芋緑化システム)」もその一つ。
空調設備の室外機には、外気温が高くなるほど使用する電力が増える特性があります。その対策として屋上緑化を兼ねた芋緑化システムを導入。室外機の周囲に設置した架台にサツマイモの苗が入った布袋を吊るし、伸びてきたサツマイモの葉による蒸散効果と日陰の発生が、室外機周辺の気温を低下させることで、空調の効率を上げる省エネルギー施策です。
夏季日中の電気使用量が10~15%ほど下がったことが確認されており、環境負荷の軽減に貢献するとともに、オフィスビルとテナント企業様の電気料金軽減にも貢献しています。

- ※1:2024年度はウノサワ東急ビル、新目黒東急ビル、渋谷スクエアA、渋谷プレイス、渋谷道玄坂東急ビルにて実施。
- ※2:株式会社日建設計と住友商事株式会社が共同で開発した技術で、空調室外機の周りに芋の葉を繁茂させ、葉による日陰効果と蒸散作用により機器周辺の温度を下げることで空調電力の低減効果を得る仕組み(2016年特許取得済)。
都会の真ん中で“省エネの恵み”がザクザク!
芋緑化システムは、省エネに加えてサツマイモが収穫できることも魅力の一つ。今回のイベント会場となったウノサワ東急ビルの屋上では、2021年より芋緑化システムを導入しており、テナント企業様や近隣小学校の児童による、サツマイモの収穫体験を毎年開催しています。大きく成長した“省エネの恵み”の収穫イベントの模様をご紹介します。
この日、屋上に集まったのは、約20名の参加者様。
冒頭は座学形式で芋緑化システムの意義や仕組みを学びます。空調機器周辺の温度を下げることによる電力の省エネ、緑化によるCO2削減を目指していることに加え、採用活動等において、環境意識の高いZ世代に向けた企業PRにも繋がることを知っていただきました。

その後はいよいよお楽しみの収穫体験へ。ビルの屋上に移動し、芋緑化システムの実現をサポートする「合同会社渋谷肥料」の代表・坪沼敬広様に、収穫のコツやおいしいサツマイモの見分け方を教えていただきながら、収穫体験が始まりました。


軍手を装着した参加者の皆さんが、一斉に布袋の土を掻き分けると、大きく育ったサツマイモの一角が見えてきます。想像以上に成長したサツマイモに、あちらこちらより歓声が上がり、皆さんで協力し合いながら収穫が進んでいきました。
サツマイモは、強い生命力を持ちどのような環境でも育ってくれますが、日当たりが良く、室外機の排熱も利用できるオフィスビルの屋上は、とても栽培に適しています。
時間が経つにつれ、収穫されたサツマイモがどんどん並んでいきます。中には人の顔より大きいものや、1株でいくつも実をつけるものなど、どれも良く育っていました。参加者の皆さんからは「まさかこんなに沢山収穫できるとは想定外」「掘り続けても、まだあった!」など驚きの声が聞かれました。ヒョウタンのようなユニークな形や、ハート型にそっくりな形もあり、個性豊かなサツマイモたちが所狭しと並ぶ光景はまさに圧巻!なかには虫が齧ったサツマイモもあり、この芋緑化システムが育んだ生物たちの証も感じられました。


参加者の皆さんからは「宝探しをしているみたい」「オフィスの屋上でこんなに楽しめるとは思わなかった」などの声もあがり、童心に帰って収穫体験を楽しむ姿がみられました。所々でスマートフォンをかざす姿もみられ、「撮影した写真や動画を企業PRとして使ってみたい」と仰っていただける場面もありました。ぜひ、採用活動や社内広報などにお役立ていただきたいです。
自然にふれる体験で、オフィスワーカーのリフレッシュに
収穫したサツマイモの一部は参加者様へのお土産となりました。収穫したてのサツマイモはまだ甘みが足りず、少し寝かせたお正月頃が食べ頃になります。参加者の皆さんからは「おせち料理にしたいです」という声も聞かれました。
テナント企業様の交流会にもなった本イベント。参加者様はみな仕事の合間にご参加いただきましたが、土やサツマイモの生命力に触れていただき、ちょっと変わったリフレッシュ機会にもなりました。
「すごく楽しかった」「来年の収穫が待ち遠しい」などの声を励ましに、東急不動産ではこれからもこの芋緑化システムをはじめ、多様な環境取り組みをテナント企業の皆さんと一緒に取り組み、環境先進企業の環を拡げて参ります。



2024年度の収穫量
今年度芋緑化を実施した当社5物件における収穫量は、以下の通りとなりました。

TOPICS

収穫したサツマイモは“さつまいもチップス”として製品化。屋上菜園を行っているビルのテナント企業様へのプレゼントや、テナント企業様向けのイベント等で配布しています。
協力企業のご紹介

合同会社渋谷肥料 様
渋谷肥料様は、渋谷を「消費の終着点」から「新しい循環の出発点」にシフトできないか?という問いを掲げるプロジェクトです。
東急不動産とは渋谷の複合施設から排出される生ごみの肥料化や、屋上栽培の実証実験などで2020年より共創。様々な取り組みを経て、オフィスビル屋上での芋緑化システムの実現をサポートしています。渋谷を起点とした循環型社会を創出すべく、芋緑化プロジェクトによる都市部の緑化の拡大や、サツマイモから生み出されるお菓子などの製品化を推進中。より広域に芋緑化システムを普及させ、地域の人や街を訪れる人に魅力を届けることを目指します。

参加者の皆さんが積極的に土に触れていただき、あちこちで大きな歓声が上がり、沢山の笑顔が見られたことを嬉しく思います。これからもオフィスワーカーの皆さんが集うエリアで、従来とは異なる新しい楽しみを生み出していきたいです。
(写真右)合同会社渋谷肥料 代表 坪沼敬広 様
(写真左)東急不動産 都市事業ユニット 都市事業本部 ビル運営事業部 営業運営第一グループ 織田裕至